妊娠中の方は普段から体調管理には気を遣っていると思いますが、特に気をつけないといけないのが「風邪を引くこと」または「風邪を移されること」です。
軽い風邪なら大丈夫ですが、風邪が長引いて発熱や咳、下痢などの症状が出ると胎児にも影響してきます。
そこで妊娠中の風邪はお腹の赤ちゃんにどのように影響があるのか?病院に行く場合は産婦人科がいいのか内科がいいのか、また医者から処方してもらう薬は本当に大丈夫なのか?
さらに薬は不安だから飲みたくないという妊婦の方のために自分で治す方法、風邪を予防する方法まで紹介します。
妊婦の風邪について
風邪の諸症状は鼻や口など呼吸器を通して体内に侵入してきたウイルスを追いだそうとして免疫機能が働くことで起こります。
微熱程度ならゆっくりと安静にしていれば数日で治りますが、38度以上の高熱になるとお腹の赤ちゃんにも影響が出てくるため、早急に治療する必要が出てきます。
また風邪から合併症など他の病気を引き起こす可能性もあるので、こじらせて重症になる前に対処しましょう。
妊婦さんはどうして風邪を引きやすいのか?
妊娠中の妊婦さんは黄体ホルモンが増加するのでホルモンのバランスが崩れて免疫力が低下しているため、細菌やウイルスなどへの抵抗力が普段よりも弱く風邪にかかりやすくなっています。
軽い風邪程度なら大丈夫ですが、心配なのは細菌感染です。もし風邪の症状が1週間以上続くようなら細菌感染の可能性も高いので病院で抗生物質を処方してもらう必要があります。
細菌感染で上気道炎や気管支炎にかかると発熱が続き、喉の痛み、咳やたんなどの症状が加わります。
抵抗力がない分、風邪を引くと症状も進行しやすいので、ウイスル感染しないようにしっかりと予防していくことが大切です。
私たちの免疫システムは風邪のウイルスなど異物を排除しようと働きますが、実は赤ちゃんもシステム上は異物として扱われます。
しかし免疫力が弱まることで赤ちゃんが異物扱いされず、お腹の中で順調に育ってくれるわけです。もし異物になったら流産や早産になる可能性が高くなるそうです。
妊娠に気づかず風邪薬を飲んだ場合の悪影響とは?
出典:http://www.kobayashi-yk.co.jp
不正出血が続いたのを生理だと勘違いして思いきり風邪薬を飲んでしまった・・・。
こんなふうに、妊娠したと気づかずに薬を飲んでしまい、あとになってお腹の赤ちゃんに影響がないか心配になる方は多いと思います。でも、市販されている一般薬ならば基本的に問題はありません。
ただし、妊娠4~7週は体の主要な器官が作られる重要な時期なので、この時期の薬の服用は医師によく相談しましょう。
また薬をやめたことで体調が悪化してしまう場合もあります。ぜんそくや花粉症などアレルギー症状や心臓病で普段から薬を服用している場合はすぐに医師に相談してください。母体が悪化すると胎児に悪影響をおよぼすことがあります。
市販薬の場合、容量を守り、数日間飲む程度なら、薬局で販売されている風邪薬や胃腸薬などどれも心配はありません。
ただし、容量は守っているけど長期間服用している場合はもしものことがあるので、薬を持って医師に相談してもらってください。
気休めかもしれませんが、妊娠中、できるかぎりのことに気をつけたのに障害を持って赤ちゃんが生まれてくるケースもあれば、妊娠中にタバコや酒を飲んだのに元気な赤ちゃんが生まれてくることもありますよ。
風邪の症状に似ている怖い母子感染ウイルスの正体とは?
風邪と似た症状でも、実は危険なウイルスに感染している可能性もあります。ヘルペスウイルスの仲間のサイトメガロウイルスは成人の9割が抗体を持っていますが、細菌の若い女性の抗体の保有率が6割~8割に低下しており問題になっています。
サイトメガロウイルスは妊娠初期に初めて感染するとお腹の赤ちゃんに感染して子宮内発育遅延や胎児死亡を引き起こします。
他にも出生後に黄疸や出血斑が出たり、小頭症などの異常が出ることがあります。また新生児のときには異常がなくても後で難聴など視聴覚障害や知能障害が現れることがあります。
妊娠中の風邪は赤ちゃんにどんな悪影響があるの?
風邪の症状である発熱、咳、下痢・腹痛、吐き気・食欲不振などは赤ちゃんにどんな影響があるのでしょうか?
たいていは何も影響がなく心配するようなことはないのですが、場合によっては危険なケースもあるので注意が必要です。
また病院側でも、破水などよほどのことがない限り、薬を処方する以外の治療を行うことはありません。
あまり神経質になるとストレスがお腹の赤ちゃんに伝わるので、あまり気にし過ぎないのが大切です。
発熱が続くと羊水に悪影響を与えるってホント?
赤ちゃんがいる羊水の温度というのは体温より少し高めの37度から38度くらいです。しかし、38度を超える発熱が何日も続くと羊水の温度も上昇してしまいます。
羊水の温度が上がると中にいる胎児の体温も上昇して心拍数が激しくなり負担が大きくなります。
そうなる前にお医者さんに診てもらって解熱剤をもらって速やかに熱を下げる必要があります
また発熱が続くと羊水が減少して細菌感染のリスクも高まります。免疫力が低下すると体内の異物である胎児さえも免役の力で外に押し出そうとして「流産」してしまう可能性もあります。
妊婦が飲んでも安心な薬を処方してもらえるので迷わず病院で診てもらいましょう。
2.咳するたびに伝わる振動は胎児に影響ある?
風邪により咳が止まらないことがありますが、咳をすると腹筋全体に力が入るため腹圧が高まります。結果的に妊婦のお腹が張る要因になるので、早産のリスクが増加します。
ちなみにくしゃみも同じ理由から腹圧がかかるので注意が必要です。妊婦でも飲める咳止めの薬があるので早目に処方してもらいましょう。
3.妊婦の下痢、腹痛は胎児にどんな影響が?
下痢をすると腸内環境を整える善玉菌など細菌を排出してしまうので、風邪が治ると今度は便秘になることが多いです。便秘になると便が滞留することで血行不良や腐敗ガスを引き起こし、胎児に栄養を送るのに支障が出ることも。
また便秘で長時間トイレでりきむと腹圧がかかり早産のリスクが高まります。
4.吐き気・食欲不振だと胎児に栄養が行き届かない?
風邪で吐き気や食欲が起きず十分な栄養が摂れないと胎児に影響があるのでは?と心配してしまいます。
しかしこれは心配する必要はありません。ママの母体には十分な栄養が蓄えられており、何日か栄養が足りなかったとしても胎児には栄養が送り届けられています。
つわりの時期も好き嫌いが激しくなったり、食べてもすぐ吐いちゃうつわりなど正直、栄養状態が良いとはいえない期間が続きますが、胎児にはそれほど影響はありません。
妊娠週数別に違う胎児の催奇性のリスクとは?
妊娠何週目だと胎児の発達度合いはこのくらいで、薬を飲んだときに奇形が発生するリスクはどのくらいなのか、週数別に紹介します。この時期はまだ体の形が作られてないので、市販の風邪薬を飲んでもあまり心配はいりません。
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妊娠4週未満
妊娠週数は最終月経の始まった日を0週0日と数えるので妊娠4週目というと、受精してちょうど2週間くらいで、人によってはまだ妊娠したことに気づいていない方もいるでしょう。
この時期の胎児は細胞分裂が始まった段階です。体の形もできていないので市販の風邪薬を飲んでもあまり影響はなく、心配する必要はありません。
妊娠4~15週目
特に妊娠2ヶ月目の4~7週目はちょうど体の重要な臓器が作られる時期で、一部の薬(※)には服用すると心臓や手足に奇形が発生する率が高まる可能性があります。
妊娠に気づかずに風邪薬や頭痛薬などを飲んでしまうことが多い時期ですが、市販の薬を常識的な範囲で服用する限りは奇形が増えることはないので心配はいりません。
妊娠8週目以降は主要な臓器の形成が終わり、性器など細かい形成が続いている時期です。リスクは低くなりますが、0ではないので薬の服用には慎重になる必要があります。
※抗がん剤、特殊なホルモン系の薬、放射性医薬品、チガソンなどビタミンA誘導体(レチノイド)など
妊娠16~27週目
妊娠中期の5ヶ月目に入る妊娠16週目以降は安定期で基本的な体や臓器の形成も終わっているので奇形の心配はありません。しかし薬によっては胎児に悪い影響を及ぼすことがあります。
薬の服用は自己判断せずに必ずかかりつけの医師に安全性を確認してもらう方がよいでしょう。
妊娠28週目以降
妊娠後期の8ヶ月目に入る28週目以降は薬の成分が胎児に移りやすくなります。例えば鎮痛剤には血管を収縮させる作用があるため、新生児肺高血圧症の原因になる可能性があります。
市販の解熱鎮痛剤のバファリンやロキソニンは妊娠32週目以降に服用すると赤ちゃんの心臓に悪影響があることが分かっています。
少ない回数服用する程度なら大丈夫ですが、長期的に服用する場合は赤ちゃんの腎臓に負担を与えるし、分娩の遅延を招きます。
妊娠中の風邪で病院へ受診する際に注意すべきこととは?
妊娠中に体調を崩したときって、病院に行くかどうか迷いますよね。ただでさえ免疫力が弱っているときに大勢の人がいる病院に長時間滞在したら、インフルエンザに感染してしまうこともあります。
病院へ行かずに自宅で治すにしても、軽い症状なら安静にすることで快方に向かうこともありますが、インフルエンザやノロウイルスなど強力なウイルスに感染した場合は自分で治りません。
早産してしまう可能性もあるので、我慢せずに速やかに病院に行った方がよいでしょう。妊娠中でも飲める薬を処方してもらえるので、自宅にいるよりも早く治ります。
もちろん、マスクは必ず着用し、帰宅したらうがい・手洗いは忘れずに。
受診するなら内科?産婦人科?どちらに行くのが正解?
妊娠中の風邪ってやっぱり産婦人科?それとも風邪だから内科でいいの?これってけっこう迷うところです。
一番はやっぱり産婦人科です。産婦人科は妊婦さんが専門なので当然、妊娠中の風邪にも対応してくれます。
内科の場合、内科医によっては妊婦に処方してもよい薬に熟知していない可能性もあります。
もし病院へ行く場合は、事前に風邪を引いていることを伝え、待機場所を聞いて、マスクをつけて行ってください。病院によっては他の患者に移さないために待ち時間なしで診てもらえることもあります。
風邪を移したくないからあえて産婦人科へは行かず内科を受診するという選択肢もあります。もし内科を受診する際は、あらかじめ電話で「妊娠○週目ですが大丈夫ですか?」と確認の電話をするといいでしょう。また診察の際も医師に必ず妊娠していることを伝えましょう。
産科は内科に回したがり、内科は産科に回したがる!?
風邪を引いて産科へ行ったら「内科に行ってください」と冷たい対応されたことはないですか?
妊婦の風邪はそうでない人と比べてやっかいですし、もしインフルエンザだったりしたら重症化しやすいため非常に厄介なことになります。
もちろん産科医は妊娠時に使える薬と使えない薬には詳しいですし、風邪くらいなら対応できるとは思います。
でも、待っている間や待合室に入れた際に他の患者に移る可能性がありますので、受診をお断りしている産科医もいるくらいです。もし、他の科へたらい回しにされても、そういう事情だからと理解して下さい。
連休で病院が休みの場合はどうする?
今すぐ病院に行きたいけど、あいにく連休や祝日でやってない、ということはよくあることです。だからといって病院へ行くのを諦める必要はありません。
休日や祝日でもやっている診療所やクリニックがあるはずです。もし分からない場合はネットで検索すればすぐに見つかるはずですよ。
妊婦はインフルエンザのワクチンを打っても大丈夫?
冬場に毎年流行るのがインフルエンザ。毎年大勢の方が感染して体調を崩しますが、妊婦の場合、免疫力が低下しているので重症化する危険があります。
インフルエンザは妊娠中に感染しても胎児に直接影響はありませんが、体の抵抗力が落ちている分、症状が重くなり、体調も悪化してしまいます。
インフルエンザの予防接種は妊婦でも受けられるので流行る前に予防接種を受けることをおすすめします。産婦人科では防腐剤抜きのワクチンが用意されています。
ただし、妊娠16週未満の妊婦や、卵アレルギーのある妊婦はワクチンを打つことはできないので注意が必要です。
お腹の赤ちゃんのためにも、外から帰宅したときにうがい・手洗いする習慣を徹底しましょう。
風邪なのにお医者さんが薬を出してくれない場合は?
風邪が長引いてなかなか治らなくて医者に行ったら「たいしたことない」「寝て治してください」と言われて、薬を処方してもらえないケースがあります。
結局、そのまま風邪が長引いてしまうわけですが、お腹の赤ちゃんは大丈夫なのかと不安になりますよね。こういう医者の態度って果たして正しいのでしょうか?
医者の言い分としては妊娠中は免疫力が弱くなので風邪も普段より治りにくいし、薬は影響が出るから勧められないようです。
しかし、一方で、風邪は薬を使わないとなかなか治らないし、体の血流が悪くなるためお腹の赤ちゃんに良くないからといって、妊婦が飲んでも影響のない葛根湯とかビタミン剤、イソジン、トローチなどを出してくれる医者もいます。
対応は医者によりけりなので、もし今の病院が気に入らないなら、病院を思い切って変えるのも方法の一つです。
すでに分娩予約をしていて、今さら病院を変えるのもしんどい場合は担当の医者に「全然治らなくてツラい」と訴えてみてください。
もしそれでも薬を出してもらえないようなら、栄養のあるものを食べて、家事を誰かに代わってもらってしっかり寝て体を休めてください。
妊娠中に使っても良い薬 vs 使ってはダメな薬
医師に処方してもらった薬は大丈夫ですが、問題は薬局で売っている市販薬です。たいていは妊婦が飲んでも大丈夫ですが、中には注意した方がよいものがあります。下記で紹介しますが、服用する際は医師に確認しましょう。
風邪薬(総合感冒薬)
風邪薬でよく使われるのは解熱剤、鎮痛剤、抗炎症剤です。必要ない成分まで服用することになるので、妊娠中は服用を避けるのが無難です。ロキソニンは妊娠中期(15週目)までは飲めます。
ただし、アセトアミノフェンは妊娠中でも服用が可能です。どうしても飲みたい場合は医師に処方してもらいましょう。
咳止めで安全なのはメジコンで、去痰剤のムコダインも服用して問題ありません。
アレルギー性鼻炎
花粉症などアレルギー性鼻炎の薬には抗ヒスタミン剤や抗アレルギの薬が含まれています。抗ヒスタミン剤ならレスタミン、ポララミンが安全とされています。
抗アレルギーの薬ではクラリチン、ジルテック、インタールが安全だとされています。点鼻薬なら問題ありませんが、症状が改善しない場合は医師に相談してください。
便秘薬
妊娠中は便秘になりやすくなります。便秘薬自体は赤ちゃんに影響はありませんが、腸を刺激する成分を含むので自己判断せずに、必要な場合は医師に処方してもらいましょう。
漢方薬
ほとんどの漢方薬は問題ありませんが、中には妊婦に処方するには作用が強すぎるものや体質や症状に合わないものも出てきます。勝手に飲まずに医師に相談しましょう。
睡眠導入剤
睡眠導入剤は安全性が確認されていないため、自己判断で長期的に服用するのはよくありません。どうしても必要な場合は医師に相談してください。
病院で妊婦さんに処方される風邪薬の症状別一覧
うがい薬
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有名なのはイソジンですが、イソジンには頻繁に使用したり、誤って飲み込んだ場合に副作用があります。成分のヨードが甲状腺に異常をもたらす可能性があり、妊娠中に使用すると胎児の甲状腺に影響を与えるリスクがあります。
病院で処方されるのはアズノールで、怪しい青い液体で一見グロテスクですが、口内や喉の炎症や口内炎、扁桃炎の治療に有効です。
アズノールには重大な副作用はなく、飲み込んでも安全なので妊婦や子供でも安心して使うことができます。
風邪のひき始め
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風邪の引きはじめに処方されることが多いのが漢方薬の葛根湯です。市販品も多く、いろいろな成分が入っているので、産婦人科で処方されることが多いツムラの葛根湯がおすすめです。
副作用のある漢方薬もありますが、葛根湯に関しては過去に妊婦に使って問題が起きたことはなく、妊娠に処方してもよい薬とされています。
葛根湯の効果としては免疫力を高めたり、体を温める働きがあり、風邪のひきはじめに体がゾクゾクして寒気があるときには効果的です。逆に発熱してからはあまり効果はありません。
漢方薬は即効性はなく穏やかに効果を発揮するので、妊婦にも子供にも優しい薬です。風邪を引いたけど薬は飲みたくないという場合は葛根湯を飲むといいでしょう。
鼻水
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風邪で鼻水が出るときに処方されるのが小青竜湯(ショウセイリュウトウ)です。水分バランスを調整する作用があり、風邪の引き始めでゾクゾク寒気がして、鼻水が止まらないときに使うのが向いています。
病院で処方されることの多い漢方薬で、鼻風邪以外にもやアレルギー性鼻炎、花粉症などにも処方されます。
痰(たん)
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痰の切れをよくする薬(去痰剤)がムコソルバンです。同様に処方される薬としてビソルボン、ムコダインなどもあります。
内科や耳鼻咽喉科、小児科でよく処方される薬で気道の粘膜のすべりをよくし、粘液の分泌を増やすことで痰の粘りを取り去り、痰の排出を容易にします。
気管支炎
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気管支炎や気管支ぜんそくでこみ上げる咳が止まらない時に処方されるのが麦門冬湯(バクモントウトウ)です。
のどを潤し、咳をしずめる効果があります。口が乾燥し喉がイガイガするときにも使われます。
咳
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重い咳の症状のときに処方されるのがメジコンです。咳中枢の興奮を抑えて鎮めることで咳を止める効果があります。
のどの痛み
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のどの痛みに処方されるのがSPトローチです。殺菌薬が配合されており、口内の殺菌に用います。かまずに口の中でゆっくり溶かして使用します。
発熱・頭痛
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作用が穏やかな解熱鎮痛剤で発熱時や頭痛、歯痛、生理痛など広く処方されるのがアセトアミノフェン(カロナール)です。座薬は赤ちゃんにも使われます。市販の風邪薬や解熱鎮痛剤の多くにも配合されています。
やっぱり薬はイヤ!自分でできる風邪を治す方法
薬が不安だからといって自分で市販薬を飲んで治そうとする方もいますが、風邪をこじらせて熱が下がらないとママやお腹の赤ちゃんにも負担をかけることになります。
風邪の引き始めなら安静にして栄養と水分を摂っていれば治るでしょう。でも症状が重くなってきたら直ちに病院へ行くことをおすすめします。くれぐれも自己判断で薬を飲まないように。
以下に妊婦の方が風邪を自分で治すためにおすすめの方法を紹介します。参考にしてください。
しっかり寝る
風邪のときはしっかり体を休めましょう。妊娠中はとくに免疫力が低下している上、疲れやすいので動かずに体力の回復を待ちましょう。熱が出ている場合は脇の下や首元などにアイスノンなど氷枕を当てて冷やしましょう。
体を温める
寒気がする場合は背中に貼るタイプのカイロを肩甲骨の間に当てると体全体が温まります。寒さが強いときはドライやの熱風を当てるとよく温まります。なお、温めて汗をかいた場合は冷えないようにこまめに着替えましょう。
なお、水分補給や食事する際もなるべく温かいものにしましょう。体が冷えると抵抗力がますます弱くなってしまいます。
水分補給する
熱が出ると汗が大量に出ます。妊娠中はとくに体に水分を溜め込もうとする働きが強くなります。その分、脱水症状が起きやすくなっているのでこまめに水分補給しましょう。
トイレに行く回数が減ってきたり、おしっこの量が減ってきたら水分が足りていない証拠なので注意しましょう。
栄養を摂る
栄養のあるものをしっかり摂り免疫力を回復させるのが基本です。体を温めてくれる飲み物、エネルギーの元になる炭水化物、糖質、新陳代謝を高めてくれるタンパク質、白血球の働きをよくするビタミンCをバランスよく摂取しましょう。
タンパク質やビタミンB1、B2、βカロチンも豊富なレバー、ビタミンB1が豊富な豚肉、栄養満点なスタミナ食のうなぎもおすすめ。卵アレルギーでなければ卵もおすすめ。消化もよくタンパク質、ビタミン類が豊富です。
スタミナ回復に抗菌作用もあるニンニク、風邪の引き始めに有効なネギ、胃腸な内蔵の調子を整えてくれるニラ、痰の緩和、体を温めて新陳代謝を高める生姜もおすすめ。またピーマンやブロッコリーといった緑黄色野菜も普段から積極的に摂っていると風邪の予防になります。
ただし食べ過ぎると本来、体の回復に使われるはずの血液が消化に使われてしまうため、回復が遅れてしまうので腹八分目を常に心がけましょう。食べれば食べるほど早く回復するわけではないので悪しからず。
ビタミンCを摂取する
ビタミンCは免役機能の維持に必要なビタミンのため、不足すると風邪を引きやすくなると言われています。また普段から風邪を引きやすい人は白血球の中のビタミンC濃度が低いです。
ビタミンCの補給に最高なのはみかん。咳や痰を鎮める作用もあります。他にも緑黄色野菜やじゃがいもも多く含んでいます。日頃からビタミンCを摂取すると風邪の予防になり、風邪を引いても早く回復します。
漢方薬を使う
薬がイヤだけど漢方なら・・・と思って薬局で適当に漢方薬を買っていないでしょうか?ほとんどの漢方薬には副作用はありませんが、中には作用が強くて妊婦には適さないものもあります。服用する際は必ず漢方医、薬剤師の先生に処方してもらうようにしましょう。
妊娠中でも飲める風邪のときに処方される漢方薬が桂枝湯(ケイシトウ)です。風邪の引き始めでゾクゾク寒気がするときに向いています。穏やかな発汗発散作用があり、体を温めながら痛みを和らげます。ちなみに桂枝湯に葛根(カッコン)と麻黄(マオウ)を加えたものが有名な葛根湯です。
民間療法 ~風邪に効果抜群の飲み物とは?
風邪を引いたときによく飲まれる有名な飲み物を紹介します。
ネギ梅干し熱湯
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梅干しとネギ湯とも言い、みじん切りにしたネギと梅干しに熱湯を注ぎ、梅干しを崩しながら飲みます。梅干しの代わりに梅肉エキスでもOK。ネギの代わりに生姜のすりおろしにして梅干ししょうが湯にしてもいいです。風邪の引き始めに。
生姜すり黒糖湯
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黒糖生姜湯とも言い、すりおろし、または薄切りにした生姜を水に入れて強火にして沸騰したら弱火にして黒糖を入れてよく溶かして15分ほど煮ると出来上がり。寒気や頭痛がする風邪の引き始めに飲むと体がポカポカして温まります。冷え性の方にも。
梅醤番茶
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マクロビオティックではおなじみの梅醤番茶。梅醤がない場合は梅干しを潰して番茶に入れて醤油を少し入れて混ぜるだけ。マクロビで言う「陽性」の飲み物で食前や空腹時にどうぞ。風邪の引き始めや体が冷えたとき、二日酔いの時にもおすすめです。
しょうが葛湯
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葛根湯の成分でもある葛(くず)。葛根には発汗作用や解熱・鎮痛作用があり、風邪の引き始めや体の冷えの改善などの効能があります。大さい1杯の葛粉とコップ1杯の水と生姜のすりおろしを鍋に入れて中火でとろみがついて半透明になったら出来上がり。お好みで蜂蜜を加えると飲みやすくなります。
他にもはちみつレモンを熱々のお湯割りにしたり、梅干しを入れた熱々の昆布茶、大根おろしの絞り汁など、民間療法でいろいろあるので試してみてください。
妊娠中に飲んでも安心な風邪に良いハーブティー&アロマオイルは?
喉風邪には断然、エキナセアがおすすめ!
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アメリカでは1990年代から風邪やインフルエンザの感染対策として有名だったのがインディアンハーブのエキナセアです。味は麦茶に少し似ています。
和名をムラサキバレンギクといい、元々は北アメリカの先住民族たちが薬草として用いてきました。免疫力がアップし、自己治癒力が高まります。抗菌・抗ウイルス作用もあり、ウイスルの増殖も抑えます。
他にも炎症を抑えるので傷の治りが早くなり、むくみケアにも有効です。風邪の引き始めにビタミンCの摂取と合わせて飲むといいでしょう。
ただし、エキナセアには妊婦におすすめという意見もあれば妊婦にはダメという意見もあります。迷う方もいると思いますが、これについては研究が行われ、エキナセアを服用した妊婦のその後が調査されました。
その結果、出産時の生死や正常分娩、自然流産、奇形や染色体異常などについて、服用した妊婦と服用しなかった妊婦の間に差異はみられなかったという報告があります。妊娠中も授乳中の飲んで大丈夫です。
他にもエルダーというハーブは粘液や粘膜をキレイにして気道の通りを良くしてくれるので風邪やインフルエンザの予防にもおすすめ。
妊娠中の風邪に効くおすすめアロマオイルとは?
リラックスするために普段からアロマオイルを使用している方は多いと思います。特に風邪の時におすすめなのはティートリーやラベンダーです。
ティートリーは殺菌・消毒作用があり、ラベンダーは免役機能を高めてくれる効果があります。作用も穏やかなので妊婦さんでも安心です。
ただしラベンダーに関してはケトン類が神経毒性を含むため、妊娠初期は控えた方がよいでしょう。
また他にもジャスミン、ローズ、ゼラニウムは子宮収縮を促すので妊娠中は避けた方がよいです。
妊娠中の風邪による喉の痛みはどうやって治す?
風邪を引いて喉がイガイガすることがありますが、喉の粘膜が弱っているので放置すると扁桃腺が腫れてしまいます。
のどスプレー
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市販ののどぬーるスプレーは成分にイソジンと同じポピドンヨードが使われているため、妊娠中は使用を避けた方がよいです。ただし、アズレン剤を配合したものなら使用できます。
アズレン剤こと、アズレンスルホン酸ナトリウム水和物はのどの痛み、炎症、腫れを取り除く作用もあり、のどスプレーの成分としてよく使われています。
喉の粘膜を修復するのによい栄養素はビタミンCやビタミンB2、B6などで、サプリメントで補給するのもよいでしょう。
大根はちみつ
出典:http://192abc.com/20048
民間療法として有名なものに「大根はちみつ」があります。こちらも喉の風邪によく効きます。
大根を適当に小さく切り(サイコロ状がおすすめ。薄切りでも千切りでもOK)、はちみつをかけて一晩寝かせておく(しばらく時間を置くだけでもOK)。
大根には消炎作用があり、一晩置くことでエキスがにじみ出てサラサラのジュースのようになります。これをそのまま飲むか、お湯で割って飲みます。味はいまいちですが、効果はあります。
はちみつのど飴
出典:http://matome.naver.jp
もう一つおすすめなのが「はちみつのど飴」です。具体的な商品名は「はちみつ100%のキャンデー(扇雀飴本舗)」です。
純粋なはちみつを100%そのまま詰め込んだキャンディーです。原材料もはちみつだけで作られています。はちみつには殺菌作用があり、喉のイガイガや口内炎などにもよく効きます。市販のどんなのど飴よりも良いと口コミで評判です。
絶対に風邪を引かない、移されないための予防方法とは?
風邪を引かない、移されないために徹底して欲しいのが外出時に必ずマスクをつけること、外から帰宅したら必ずうがい・手洗いをすること。菌を家に持ち込まないためにも、自分以外の家族にもうがい・手洗いを習慣にしてもらうようにお願いしましょう。
人混みの多い場所はそれだけ菌を移されやすいので、なるべく避けましょう。外せない用事がある場合は、髪や皮膚、洋服にも菌は付着しているので、帰宅したらすぐシャワーを浴び、服は着替えて洗濯かファブリーズで除菌するのがおすすめ。
これを普段から徹底していれば、よほどのことがない限り、風邪をこじらせることはないと思います。妊娠中は普段よりも免疫力が低下していることをよく自覚して風邪を甘くみないようにしましょう。
旦那が風邪気味で咳するのにマスクしてくれない。どう説得する?
旦那が風邪気味で咳をしたり鼻水をかんだりしていて、妊娠中の奥さんが「風邪薬飲んでマスクして」と言っても、言うことを聞いてくれないケースがあります。
妊娠中は薬を飲めないから風邪を引いたらツラいのに、なんで分かってくれないのかと腹ただしい気持ちでしょう。
きっと旦那としては自分をいたわって優しくして欲しいのに、「マスクしてよ」と言われてへそを曲げているのか、精神的に子供なのかどちらかでしょう。
こういう場合にうまく旦那を操縦するには、一見、優しく気遣う様子を見せながら風邪薬とマスクを渡すことです。
結局、やることは一緒でも、言い方、接し方の問題です。心のなかでは「この野郎!(怒)」と怒っていても、結果的に旦那が薬を飲んでマスクしてくれるなら多少の演技力を発揮してもいいのかもしれません。
あまりに腹立たしい場合は、一緒の空間にいるのはやめて、他の部屋に行くというのも一つの方法ですが。
まとめ
いかがでしたか?基本的には風邪の治し方は妊婦さんも普通の方も同じですが、妊娠中は免疫力も落ちるし、いろいろと避けた方がよいことがあるので多少の注意が必要になります
共通しているのは自己判断で勝手に薬を飲まないこと。迷ったら速やかに病院へ行って診断してもらうこと。必要なら妊婦でも飲める薬を処方してもらって早く風邪を治すことです。
旦那さんや子供など家族に風邪を移されることもあるので、妊娠中であることに配慮してもらい、うがい・手洗いなどできるだけ協力してもらうのも大切です。
できるだけ風邪を引かないように予防を徹底しながら妊婦生活を送るように心がけましょう♪
妊娠中は葉酸の摂取を忘れずに!
妊娠中、特に妊娠初期は葉酸の摂取がとても大切です。葉酸が必要な理由は胎児の神経管閉鎖障害という奇形の発症リスクを70%下げる作用があるからです。
厚生労働省も食事からの摂取に加えて、葉酸サプリで1日400μg摂取するように推奨しています。食事から摂取するのは難しいので赤ちゃんのためにも葉酸サプリだけはしっかり摂取することをおすすめします。
葉酸サプリといっても種類がたくさんあります。この記事では葉酸サプリの正しい選び方の基準について説明し、さらに人気の葉酸サプリを比較して徹底検証しています。詳しくは記事をご参照ください♪


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