「そういえば産後の生理っていつから再開するの?」と疑問に思っているママも多いと思います。
あるいはすでに生理が来たけど、その次の生理が早かったり遅かったり周期が乱れていて、「生理不順なのでは?」と不安を抱いているママもいるでしょう。
そこで産後の生理再開の時期や「○○だと生理再開が早くなる/遅くなる」といった噂を検証すると同時に、授乳中の生理再開で母乳にどんな影響が出るのか、そして次の妊娠のために生理の再開を早める方法などについても紹介します。
産後にすぐ生理が再開しないのはなぜ?
出産するとママの母体は体力を消耗し、会陰切開の傷が痛んだり、分娩時に痔を患うなど、体力を回復するには時間がかかります。
当然ながら卵巣機能も子宮の疲労もすぐには回復しません。十分時間をかけて回復するまで、母体を守るためにプロラクチンという排卵を抑制するホルモンが分泌されます。
このプロラクチンが分泌されるとエストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンの分泌が抑制されて生理が来ないようになります。
そのため、「生理が再開したらすぐに次の子供を妊娠したい」という方には残念ですが、生理が再開しても、しばらくは無排卵ということが多いです。
生理の再開する時期は個人差があるって本当?
産後、生理が再開する時期は人によってかなりバラつきがあり、産後2ヶ月ですぐに生理が来たという方もいれば1年以上たっても生理が来ないという方もいます。
また同じママでも一人目と二人目で生理の再開時期が全然違うケースもあります。そのため、産後○ヶ月後に生理が再開する、と具体的に言うことは難しいです。
山形大学で行われた研究結果によると、125人の妊婦のうち、産後1年の間に生理が再開したママの割合は75%だそうです。
ただし、授乳しているとプロラクチンというホルモンが分泌されるせいで排卵が起きにくくなるため、完全ミルクの場合と比べると、生理の再開時期も少し遅くなる傾向があります。
「母乳育児支援スタンダード(医学書院)」によると、産後6ヶ月まで完全母乳で育てた場合、産後の月経再開までの期間は平均14.6ヶ月だったそうです。
また母乳育児、ミルク育児合わせて全体的な平均では産後8ヶ月までに7割~8割の女性が月経が再開するそうです。
噂を検証!これって生理再開が遅くなるor早くなる?
生理が再開する時期については、女性ホルモン以外にも様々な要因から影響を受けて早くなったり遅くなったりすると言われています。中には信ぴょう性の乏しい噂もありますが、いろいろと紹介しますね。
帝王切開だと生理の再開が普通分娩よりも遅いの?
出典:http://www.medicalnewstoday.com
帝王切開で出産した方は生理の再開についてこんな噂を聞いたことがあるかもしれません。
「帝王切開は子宮にとても負担をかけるから、帝王切開で分娩したママは子宮が回復するまでに時間がかかる。そのため、生理の再開する時期が遅くなるのでは?」という説です。
たしかに普通分娩に比べると帝王切開は子宮の回復に時間がかかります。しかし生理の再開時期まで遅くなるというデータは今のところありません。
帝王切開で産んだママでも産後に生理がすぐ再開した方もいます。一方で、普通分娩でも生理の再開まで1年以上かかったというママもいます。個人差があるので、なんとも言えないようです。
育児ストレスがあると生理の再開は遅れるの?
育児が始まるとほとんどのママは赤ちゃんの世話に追われ、授乳で睡眠不足でフラフラになり、疲れやストレスを感じることでしょう。
またパパが育児になかなか参加してくれなくてイライラを募らせているママも多いことでしょう。
実はこうしたストレスは女性ホルモンに影響を与えやすいため、ストレスが原因で生理の再開が遅れてしまう可能性があります。
特に初めての赤ちゃんだと、ちゃんと育てようとして肩の力が入りすぎて神経質になりすぎるママもいます。もっと肩の力を抜いて、いい意味での手抜きを覚えて楽しく育児することがストレスを溜めないコツです。
なにもかも1人でやろうとせず、もっと周りを頼りましょう。料理や洗濯、掃除などの家事や、授乳以外の赤ちゃんのオムツ替えや沐浴などはパパを巻き込んで、うまく分担してもらうことが大切です。
産後に夫婦の営みをすると生理の再開が早くなるって本当?
産後に性行為をすると女性ホルモンが刺激されて分泌されるから生理の再開が早まる、という説もありますが、残念ながら性行為をすると生理の再開が早まるという根拠になるデータはありません。
その逆に、産後に性交を再開している夫婦を調べたら、月経が再開している人、年齢が若い人、産前産後に性交回数の多かった人が多かったというデータはあります。
夫婦生活と生理の再開には関連性がないようですが、性行為の直後に生理が来たという口コミもあることから、全く関連性がないわけでもなさそうです。
最近は昔よりも生理の再開が早くなっているって本当?
昔は授乳中は生理が来ないことがほとんどでしたが、最近では栄養状態も良いことから体力の回復も早く、1ヶ月検診の直後から生理が再開する人もいるそうです。
授乳中に生理が再開すると親世代からは「母乳をやめなさい」などと言われるかもしれませんが、母乳の味が落ちるというのは俗説なので、安心してください。
生理が始まるのは体が回復に向かっている証拠で何ら問題もないのでそのまま授乳を続けても大丈夫です。
ただし、生理再開で体が冷えて体調不良を感じることがあるので、体を十分に温めることが大切です。
若い人ほど生理再開が早い?逆に高齢出産だと遅くなる?
これもよく聞く話ですが「年齢が若いと生理再開も早くなる」あるいは、「高齢出産だと生理再開が遅くなる」という説があります。
年を重ねるほど卵子も老化していくことから、年齢が若い=子宮も若々しいというイメージが広がったのでしょう。たしかに年齢が若い方が体力もあるし、子宮の回復も早くなるような気がします。
しかし実際は生理の再開時期は個人差が激しい上に、育児ストレスや授乳にも影響されるので必ずしも関連性があるとは言えません。あまり俗説に振り回されないようにしましょう。
産後の生理再開と母乳の気になる関係を検証!
授乳している間は生理はこないと聞いていたけど、生理が来てしまったら?母乳の味は悪くなったり量が減ったりするの?そんな生理再開と母乳の気になる関連性について紹介します。
完全母乳で授乳している間は生理は再開しないの?
なぜ授乳している間は生理が再開しないのか、体の仕組みから説明します。母乳は赤ちゃんに吸われて刺激されることで母乳を作るホルモンのプロラクチンが分泌されます。
その母乳を乳頭へ運ぶのにオキシトシンというもう一つのホルモンが作用して、ようやく母乳が赤ちゃんの元へ届けられます。
プロラクチンとオキシトシンという2つのホルモンは子宮を収縮させる作用があり、排卵を抑制する働きもあります。そのため、授乳している間は生理は再開しにくいのです。
しかし、授乳中なのに生理が再開してしまう方もいます。この理由としては、最初は昼も夜も頻繁に授乳していたのが、夜間は授乳しなくなり、離乳食も始まると母乳を与える回数も量も減ってきます。
母乳の量が減るとそれに従って生理が再開するのに必要なエストロゲンとプロゲステロンという2つのホルモンが分泌され、生理が再開することになります。
産後に生理が再開したらもう授乳しない方がいいの?
授乳が再開したら、もう授乳しない方がいいの?と不安になるママもいると思いますが、全く心配はありません。
また生理が再開すると母乳は出なくなるの?という疑問もあると思いますが、ホルモンバランスが変化するため、母乳の量が変化する可能性はあります。
さらに生理が始まると乳管が詰まって乳腺炎になりやすい傾向があり、乳腺炎で母乳を与えるのが3~4日ストップすると、それがまた母乳を分泌するホルモンのバランスを崩し、母乳に影響を与える可能性もあります。
乳管が詰まらないように母乳マッサージなどメンテナンスをこまめに行うようにした方がよいでしょう。
生理再開すると母乳がマズくなって赤ちゃんが飲まなくなる?
生理が再開するとホルモンバランスが変化するため、母乳の味がわずかに変化する可能性もあり、それを察知した赤ちゃんが急に飲むのをやめてしまったケースもあるそうです。
しかし赤ちゃんが母乳を飲まなくなる要因はいろいろあるため、一概に母乳の味の変化のせいとは言い切れません。
ただ生理が再開しても今までどおり赤ちゃんが母乳を飲んでくれるケースがほとんどなので、あまり神経質になる必要はないと言えます。
生理再開すると母乳の量が減ってあまり出なくなるの?
最初は一生懸命、母乳を飲んでくれていた赤ちゃんも生後3ヶ月もすると周囲に関心を持つようになり、「遊び飲み」が始まります。
今まで順調なミルクタイムを送っていたのに、授乳時間が長引いたり、授乳間隔が乱れたり、授乳量もとても不規則になります。
こうなると母乳を作るためのホルモン・プロラクチンが分泌されにくくなるため、排卵を抑えることができなくなり、生理が再開するようになります。
特に1回あたりの授乳時間が10分以下になるとホルモンの分泌が少なくなり、ますます母乳の量が減ってしまいます。そのためにはなるべく10分以上授乳するように心がけてください。
産後に生理がびっくりするほど変わるの?
出産するとホルモンバランスが大きく変化するせいか、妊娠前に比べると生理の量が増えたり減ったり、また生理痛が軽くなった重くなった、など違いを感じる方も多いようです。そこで産後の生理の変化について紹介します。
産後に生理の量や周期、生理痛の痛さが変化するって本当?
出産を経験するとママの体は大きく変化します。子宮も出産により大きくなるので、妊娠前に比べて量が増えるということもあります。
また子宮環境が大きく変化したことで、子宮内膜症がよくなったという方もいます。よく出産すると生理が軽くなると聞きますが、そういうケースも多いようです。もちろん逆に重くなったという方もいます。
生理が再開したばかりの頃は生理周期もバラバラで、次の生理までの間隔が短くなったり長くなったりします。
子宮は産後6ヶ月かけて元に回復すると言われていますが、育児ストレスなどいろいろな要因で子宮の回復が遅れ、その結果、不規則な周期がしばらく続くことになります。
授乳を完全にやめてから1~3ヶ月しないと生理の周期が完全に元通りにはならないようです。
生理だと思ったら悪露だった!?よくある勘違いの見分け方
悪露とは子宮が回復するにしたがって外に排出される胎盤の残りや子宮内膜から剥がれ落ちた分泌物などが混ざったもので、生理よりも生臭いのが特徴です。
個人差はあるものの、およそ1ヶ月くらいで収まります。また色も最初は鮮血だったのが、3週間たつ頃には茶色になり、やがてクリーム色になり、最後はおりものと区別がつかなくなります。
産後1ヶ月たって、突然出血がひどくなったら、悪露なのか、生理なのか、あるいは不正出血なのかなかなか見分けがつかないことがあります。
一般的には白っぽくなってきた悪露が突然、鮮血になったら生理かも?と疑いはじめ、次の生理があることでようやく生理だったと確信する方が多いようです。
また1週間を超えて出血がダラダラと続くようなら不正出血の疑いがあるので、念のため産婦人科を受診しておくといいでしょう。どちらにしろ個人差があることなので、あまり気にせずにいるのが大切です。
面倒くさいから産後の生理の再開を遅らせるには?
育児の真っ最中に生理が再開するのは面倒くさいと感じる方もいるでしょう。授乳にも影響が出るかもしれないので、できれば授乳が終わるまで生理が再開しないでほしいという方も。
では、どうすれば生理の再開を遅らせることができるのか?具体的にこれといった方法があるわけではありません。
しいて言うなら、授乳間隔を一定にして頻繁に授乳を繰り返すことでホルモンの分泌を促すのが最良の策です。
プロラクチンは排卵を抑制する作用があるので、常にホルモンを刺激し続けるのが一番効果的と言えます。
また赤ちゃんの月齢が上がってくると夜間に授乳する回数も減ってきます。その場合は、寝る前にたっぷり授乳することでホルモンを刺激して分泌を促すことができます。
ママは大変ですが、授乳回数を減らさず1回の授乳時間も10分以上行いましょう。
次の妊娠をするために生理の再開を早めるには?
できるだけ早く次の赤ちゃんが欲しいという夫婦もいることでしょう。その場合は、まず栄養をしっかり摂り母体を回復させるのは大前提です。
その上で、完全母乳ならミルクとの混合にして授乳量を減らします。母乳をたっぷり与えているとホルモンが分泌されるので、いつまでたっても生理が再開しなくなります。
またプロラクチンは夜間に分泌が活発になるので、夜間に授乳する場合は母乳は控えてミルクだけにするとより生理が再開しやすくなります。
生理が来ないまま妊娠することはある?
産後は生理がとても不規則になるため、自分ではいつ来るのか分かりません。タイミングによっては一度も生理にならずに妊娠してしまうケースもあります。
排卵後に月経が始まるはずだったのに、排卵後に性行為して妊娠してしまうと、生理がいつまでたっても来ないので自分が妊娠していることに気づかない人もいます。
生理が来ないから避妊しないで性行為してもOKとはならないので、もし妊娠したくない場合はしっかり避妊した方がいいでしょう。
また産後は体力も回復していないので、産後すぐの妊娠はおすすめできません。できれば生理が再開してから2、3回はたってから妊娠計画を進めるといいでしょう。
まとめ
生理の再開に関していろいろと紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?産後はお腹が引っ込み、しばらくすると以前と同じような感覚で生活してしまいがちですが、見た目以上に体は疲れていて、元に戻るのに時間がかかりがちです。
ホルモンバランスも乱れ、生理も不規則で授乳にも影響があるかもしれません。体調の変化には個人差が大きいので、あまり神経質になる必要はありませんが、もし気になるようなら早目に産婦人科に相談してもらうとよいでしょう。


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