自己破産のメリットとは?

自己破産と聞くと、デメリットばかりを想像してしまう人がいます。

しかし実際には、メリットと呼べるところもあるのです。

そもそも借金が返済不能になってしまったから行うことであり、次につなげるための手続きと言えるところもあるのですから、まったくメリットがないわけではありません。

この記事では自己破産後の生活がどうなってしまうのか、また自己破産の手続きの流れや注意事項について解説していきます。

自己破産によって家族に与える影響は別の記事でまとめているので、合わせて参考にしてみてください!

最大のメリットは借金が免除されること

最大のメリットとしては、借金を免除される点があります。借金の問題は、とても大きなものです。

返済できる範囲のものならともかく、どれだけ頑張っても返済できる見込みがない。

そんな状態でも督促は続くということになれば、心を病んでしまうこともあります。

先の見えない状態が続くことは、それだけ精神に大きな負荷がかかってしまいます。

しかしその問題が解決できるなら、自己破産を選択することはメリットがあると言えます。

強制執行されないのも安心の1つ

自己破産をすると、強制執行されなくなるメリットもあります。

これは破産債権の回収を実行するには破産手続きをすべて通す必要があるため、一時的に守られるようになるからです。

最終的に滞納税金の支払義務こそ残るようになりますが、お金の問題を解決しようとしている中で強制執行される心配はなくなるので、そこは安心できます。

債務整理の中には、債権者との合意が成立しなければできないものもありますが、自己破産は問答無用で行われます。

また手続きが完了することは、その人は本当に資産を持っていないことになるので、まだ隠しているのではないかと疑われることがなく関係者の調整が楽になります。

簡単にまとめると、借金から解放されて精神的に楽になれるわけです。

自己破産のデメリット

自己破産
自己破産をした場合は、資格や職業が制限されるようになります。

弁護士や司法書士などの資格や、宅地建物取引業者に証券会社外交員などの職業、ほかにも警備員や建設業者といった信用力が求められる資格や職業に制限が付くものと考えてください。

もとからこれらの資格や職業とは関係ない生活をしている人なら問題ありませんが、このような影響を受けることも自己破産のデメリットです。

多くの人が知っているデメリットとしては、自宅を手放すことがあります。

原則20万円以上の財産は処分されることになるので、このデメリットがあるから何とか避けたいと考えている人は多くいます。現金については、99万円までは所有できますが、それ以上は資産と見なされて没収されます。

自己破産をすると、住所と氏名が「官報」に掲載されます。

そのことから、場合によっては自分を知る人にそのことが知られてしまう可能性もあるのです。

ただし、実際に官報をチェックしている人はほとんどいないため、企業としてもチェックをしているケースはほとんどありません。

もちろんゼロではないので、実際に知られてしまうケースもあります。

注意したいのは、ヤミ金業者などは頻繁にチェックをしており、ブラックリスト入りをしていても借りられるとダイレクトメールを送ってくるようになります。

先にも書きましたが、ブラックリスト入りすることもデメリットになります。

信用情報には10年以内の掲載となるため、新規のローンやクレジットカードを作ることは困難になります。

どのような経緯があるのかによって、借金が免除されない可能性があることにも注意してください。

ギャンブルなどが原因の場合は受理されないケースとなります。

ただし、裁判所の解釈次第で免除されることもあります。

自己破産後の生活(持ち家からの立ち退き)

自己破産
自己破産によって持ち家が没収されることになった場合は、いったいどのような流れになるのかをまとめていきます。

すぐに追い出されてしまうというイメージを持っている人もいますが、そこまで厳しくはありません。

次に住む場所が用意できていない状態で立ち退きを命じられるような理不尽はないので、安心してください。

しかしある程度の猶予があるだけで、最終的に立ち退きをする必要はあるのです。

持ち家は競売にかけられる

持ち家が没収されてしまった後は、競売にかけられます。

そして落札をされて買受人がその代金を納付した時点で、持ち家の権利は失われてしまうのです。

そうなると、その家に住んでいることは不法占拠になってしまいます。

立ち退きについて

立ち退きについては、その家を購入した買受人が不動産引き渡し命令を裁判所に申し立てることによって、約2週間後に確定します。

その後は、強制執行を申し立てることができるようになります。

まずは明け渡し催告が行われ、1か月後には出て行くように伝えられます。

そのため、その明け渡し日が来るまでに、次の引越し先を決めておかなければなりません。

事情があって、なかなか次の引越し先が決まらない場合もありますが、強制執行を断行されると荷物を運び出されて鍵も変えられてしまうので、その家には住めなくなってしまいます。ぎりぎりまで粘ることもできますが、それでも2か月以内には引っ越しをしなければならないものだと考えてください。

漫画やドラマなどで描かれるイメージを持っている人もいますが、事前にしっかりと計画を立てておけば路頭に迷うことにはなりません。

実際に手続きを行う段階になって、弁護士や司法書士に相談して、これから生活をやり直すための準備や計画を練っていくことになります。

そしてその過程で、次にどこへ住むのか、住む場所は確保できるのかといったことも話し合っていくのです。

先ほど約2か月と書きましたが、実際にはそれよりも前から準備をする期間があるので安心してください。

あくまでも自分が生活をやり直すための手続きなのですから、住む場所についてもしっかりとフォローしてもらえるのです。

自己破産後の生活(財産の差し押さえ)

自己破産
自己破産後に行われるものとして、財産の差し押さえがあります。

破産宣告をして所有する財産を処分する代わりに借金が免除される制度なので、これは避けられません。

しかしどこまで差し押さえられてしまうのか、疑問に思っている人はたくさんいます。

中には、マイナスのイメージが先行してしまい、誤った解釈をしている人もいるので気をつけてください。

自己破産をした後も生活を続けていくことになるのですから、すべてを根こそぎ差し押さえられる訳ではありません。

手元に残せるものと残せないものがあるのです。

手元に残せる財産

当面の生活費として、現金99万円以下は処分対象外になります。

また、生活必需品である家具や衣類、調理器具なども対象外となっています。

ただし家電などは基本的に差し押さえ対象になります。しかし実際には、よほど高価なものでなければ処分されることは少ないです。

それほどお金にならないものを差し押さえたとしても、その手続きにかかる費用のほうが高ければ、赤字になってしまうからです。

実際に差し押さえられるものとしては、貴金属類、自動車、保険などがあります。

保険の場合は、解約払戻金が財産に当たるためです。

ただし財産の場合は20万円以下なら対象外になるため、自動車は対象外になる場合があります。

差し押さえられる財産の基準

その基準としては、ローンの支払いが残っておらず、初年度登録から7年以上経過、処分価格20万円以下であることです。

ただしこれは絶対ではなく、裁判所によって扱いが異なります。

ちなみに、生活保護、年金、小規模企業共済受給権、中小企業退職金共済受給権は、差押禁止となっているため対象外です。

差し押さえと聞くと、すべてを持って行かれるイメージが強いのですが、このように対象外になるものもたくさんあります。

手続きを行った後も、しっかりと生活が送れるように配慮されているので安心してください。

自己破産後の生活(金融機関のブラックリスト)

自己破産
自己破産を含めた債務整理を行った場合は、金融機関のブラックリスト入りをすることになります。

実際には信用情報に履歴が残り、金融機関がその情報をチェックした際に引っかかるというものです。

ただ、その金融機関でお金を借りていた状態の場合は、企業内のリストに名前が載る可能性はあります。

ブラックリストに入る期間

個人信用情報センターに事故歴が載ると、その情報はしばらく残り続けます。

5~7年間は情報が残り続けるので、その期間が過ぎるまでは、新規でのローン申し込みやクレジットカードの作成はできないと考えてください。審査の際には個人信用情報センターに問い合わせが行われるので、これを避けることはできません。

借り入れについて

ブラックリスト入りをしてしまった場合は、新たにお金を借りることができません。

しかし中には、そのような状態であってもお金を貸してくれる業者がいます。

しかしこれは良いサービスではなく、その逆のヤミ金業者なので注意してください。

通常の審査とは別な独自基準で審査を行っているから大丈夫だと言われても、法定金利以上の利息を取られてしまう可能性は高いです。

自己破産をしたのに、またこのようなところからお金を借りてしまうと元の木阿弥です。

ブラックリストでもカードを作る方法

クレジットカードを作ることができない状態ですが、支払方法などでどうしても持っておきたいという人もいます。

そんなときはVISAデビッドカードを使う方法があります。

これはクレジットカードではないのですが、クレジットカードと同じように決済に使えるものであり、銀行口座にあるお金でリアルタイムに決済してくれます。つまり口座にあるお金を使うだけなので借りる・立て替えてもらうわけではないため、ブラックリスト入りしていても使用できます。

詳しくは別の記事で解説しているので、参考にしてみてください。


あくまでも代替案になりますが、通販などを活用することで節約もできる中、クレジットカードがない状態で同じ決済方法が使えるのはとても便利です。対応している銀行の口座を用意する必要がありますが、口座開設については自己破産後でも制限はされていないので安心してください。

自己破産後の生活(破産後に残る債務)

自己破産をすることで債務は免除されることになりますが、その中にも例外がある点には注意してください。

これは免責が許可されても対象外となっているため、その後も返済を続ける必要があります。

税金や社会保険料は残る

まず、税金や社会保険料は免責の対象外になります。

租税、罰金、義務に関わる請求権は有効だと覚えておきましょう。

そのため少しでも負担を減らすためのテクニックとしては、破産申請をする前に可能なだけ払ってしまう方法があります。

財産の差し押さえをされると99万円以下の所持金になり、そこから返済をするよりもそれより多くのお金を持っている状態で払ってしまう訳です。

その時点でどれだけの現金を持っているのかによって使える方法なのかどうかは変わりますが、どのような順番で進めていくのかによっては、少しでも損を減らせます。

養育費について

子供のために支払う養育費は、破産をした後も支払う必要があります。

借金苦が原因で離婚をすることになるケースはあるのですが、免除されない点に注意してください。ただし家庭裁判所へ調停申し立てをすることによって、免除はされませんが養育費を減らせるようになる場合があります。

個人事業主の場合

個人事業主が破産をする場合は、雇った人に払う給料も支払義務が残ります。

法人として雇用している場合は問題ないのですが、個人事業主の場合は支払う必要があるのです。

どうしても難しい場合は、分割払いが可能なのか従業者と相談しましょう。

注意したい点としては、申請をする際に債権者を漏らさないようにすることです。

手続きをする際は、そこにリストアップされた金融機関や審判会社のみを対象とするため、漏らしてしまった場合は対象外に免除の対象外になります。複数箇所からお金を借りていて万が一にも忘れてしまった債権者があれば、引き続き借金を返済していく必要があるのです。

自己破産(同時廃止)の手続きの流れ

自己破産
実際に自己破産をする場合は、どのような流れで手続きをしていくのかをまとめていきます。

ほとんどの作業は弁護士・司法書士側で行ってくれ、その流れは事前に説明してもらえますが、事前に知っておいて損はありません。

まず弁護士・司法書士へ依頼をして契約が結ばれると、受任通知が債権者へ発送されます。

そしてそれ以降は、取り立てや返済がストップします。

その後は、借金を法定金利に照らし合わせた引き直し計算が行われ、過払い金が発生している場合は返還請求を行います。

手続きが開始したら、その本人は申立書類など必要書類を用意することになります。

そして必要書類が集まったら裁判所へ提出し、裁判官との面接が行われます。

この際の面接は弁護士・司法書士が対応してくれるので、出席する必要はありません。

ここから破産手続きが本格的に開始します。

裁判官との面接を行うため裁判所へ行き、免責審尋が行われます。

その約1週間後には裁判所から免責許可決定された旨が送付されます。

免責許可決定から1か月が経過すると法的に確定し、手続きが完全に完了します。

この流れは、20万円を超える高額財産がない「同時廃止」の場合であり、財産がある小額管財や管財事件の場合は、管財人の選任や債権者集会が行われるなど、流れが多少変わります。

ただし途中にこれらが加わるだけで、基本的には同時廃止の時と大きな違いはありません。

自己破産の申し立てをする時の注意点

自己破産
破産をする場合は、そのほとんどが同時廃止になります。

そのためこれまでと変わらない日常生活を送れますが、その人の名義や財産を別の家族名義にすることできません。

また、新たな借金や現在の借金の返済もしてはいけません。

持ち家の売り方は?

自宅を処分することが決まった場合は、任意売却か競売にかけるのか選択を促されることがあります。

その場合は、任意売却のほうがおすすめです。

どちらにしても処分をすることに変わりはないのですが、任意売却を選択したほうが転居費用の負担などを交渉しやすくなるためです。

嘘は絶対につかない

実際に手続きをする場合は、事実を偽ることなく包み隠さず告げるようにしてください。

個人的な事情もあって告げることに抵抗がある内容があるかもしれません。

しかし陳述書に虚偽があれば、破産手続開始が決定できないことや、免責不許可となってしまう可能性があります。

これは弁護士へ相談をする場合や手続きの代理を依頼する場合も同様です。

連帯保証人に伝える

連帯保証人がいる場合は、かならず破産手続きをする旨を伝えてください。

実際にはそのことを伝えなくても手続きをして債務免除を受けることは可能ですが、その債務は連帯保証人へ移ってしまいます。

そして連帯保証人がその債務を返済することが困難な場合は、同じく債務整理を行う必要が出てきます。

まとめ

自己破産は、確かに大変なことです。

しかしそのすべてがデメリットという訳ではありません。

借金でどうにもできなくなってしまった生活から、新しい生活を始めるための手続きだと考えてください。

どういう仕組みなのかを理解し、注意点をしっかりと押さえて正しい知識を身につけていれば、そう恐ろしいものではないことがわかるはずです。

もっと細かい問題もあるので、まずは専門家へ相談してみましょう。

<参考>

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mikako
mikako
主に債務整理など法律に関する記事担当。最近,彼氏ができたのか(本人は否認w)口臭ケアサプリ関連にも興味を示し実際に購入して効果を実証。フクロウ大好き娘。