特定調停とは債務整理の1つであり、裁判所を通して債権者と債務者との間で借金返済に関する話し合いをする手続きのことです。

裁判所を介さない場合は、任意整理という方法になります。

まだ支払不能な状態には陥ってはいないものの、このままだと将来的に行き詰まってしまう。

借金に苦しむ人の中には、このような状態の人もいます。

この場合に用いられる方法が、特定調停です。

返済については利息制限法で引き直し計算をした結果で決まった債務を、基本的には3年以内に返済していくことになります。

特定調停の特徴として、法律の知識がそれほどなくても申立が可能な点もあります。

司法書士や弁護士へ依頼をすることなく、裁判所の力を借りて債務の整理が可能なのです。

実際に調停が成立した場合は、確定判決と同じ効力が認められています。

注意したい点としては、調停成立後に支払が滞るようなことがあれば、債権者は訴訟をせずとも差し押さえなどの強制執行ができる点です。

メリットもあればデメリットもあるので、それぞれの特徴について知っておきましょう。

特定調停のメリット

特定調停
特定調停のメリットとしては、借金を減額できる点があります。

利息制限法の上限金利に基づいて再計算をし、その結果次第では返済の負担を減らせます。

また、債権者のうち合意する債権者を好きに決めることができるのもメリットです。

債務整理の中には、債権者を選択できずまとめて手続きを行うものもあるため、それに比べれば自由度があるのです。

たとえば自動車ローンや住宅ローンは対象外にすることで所有権はそのままにして、その他の借金を軽減する使い方もできます。

費用が安いことも、特定調停のメリットになります。

法律の専門家へ依頼をする場合は、無理のない範囲と言っても少なくない費用が発生します。

それに対して特定調停の場合は、1社あたり500円という極めて安い費用で手続きが行えます。

このほかにも、ギャンブルや浪費が原因でできた借金にも適用することができます。

ただし減額される可能性はあっても借金が残るのは事実なので、その後は返済ができるように気をつけなければなりません。

自己破産とは異なり、資格制限を受けることもありません。

ほかには、官報へ掲載されることがないので、その後の生活でヤミ金からの勧誘が強くなることも回避できます。

特定調停のデメリット

特定調停
特定調停にも、デメリットとなる点はあります。

まず、手続きは自分自身で行わなければなりません。

専門家へ任せるだけとはいかず、必要な書類を集めたり作成したりする作業は、すべて自分で行う必要があります。

ほかにも裁判所への出頭など、自分で負担する部分が大きいことはデメリットと言えます。

特定調停を申し立てた場合は、債権者からの取り立ては止まります。

しかし弁護士などが間に入らず、申し立てを行うための書類を作成しなければなりません。

働きながら作業をする人の場合、なかなか時間が取れないこともあります。

そこで手間取ってしまうと、その間に督促が行われることはあるのです。

手間と時間がかかり、遅れると面倒なことになるという意味では、任意整理に比べてデメリットがあると言えるのです。

引き直し計算をすることによって利息を含めた返済額が見直されます。

しかしそれによって生じた差額を、過払い金として返還請求することはできません。

特定調停は、あくまでも返済方法についての話し合いをする手続きです。

もしも過払い金返還をするなら、それも自分で行う必要があります。

このほかにも、作成された調停証書に基づいて強制執行が行われやすくなることや、必ずしも調停が成立しないなどのデメリットにも注意してください。

特定調停ができる条件

特定調停
特定調停は、誰でもできるものではありません。

手続きを行うためには、利用できる条件を満たしていることが前提です。

それは「特定債務者」であることです。

特定債務者は、借金を背負っている状態で支払不能になる恐れがある人のことです。

またこれは個人だけではなく法人にも適用され、事業の継続に支障を来すことなく債務の弁済が困難、もしくは債務超過に陥る可能性がある場合に適用されます。

実際に条件は定められていますが、簡単にまとめると将来的に返済困難になる可能性があることです。

支払不能になっている場合はともかく、そうなる可能性にある段階なら問題ありません。

またこれは裁判所でも柔軟に対応をしてくれる要件なので、実際に手続きをする場合は、まず利用ができるのかどうかを相談してみると良いでしょう。

ほかには「特定調停手続きにより調停を行うことを求める旨の申述」を行う必要があります。

しかしこれは用意されている申立書のひな形に入れられていることなので、実際には気にする必要がありません。

特定調停の手続の流れ

特定調停
実際に特定調停の手続きを行う場合は、まず申立書類を作成することから始めます。

関係権利者一覧表や財産状況の明細書なども必要になるので注意してください。

これらは自分で作成することになるからです。

実際に申立をする場合は、相手方である債権者の住所を管轄している裁判所へ出向きます。

そしてその裁判所から事件受付表が交付され、調査期日の指定が行われます。

そして調査期日が訪れたら、裁判所が選任した調停委員と本人とで返済計画案などを作成していくのです。

その後、第1回の調停期日が設定されます。

第1回調査期日は、債務者のみが呼び出されることが一般的です。

そこで、調停委員と債務状況や返済計画について話し合っていくことになります。

第2回以降の調停期日では、本人と債権者が呼ばれ、さらに詳しく話し合っていくことになります。

ただし実際に対面をして話し合うのではなく、調停員が交互に話を聞き、その内容を相手方に伝える形が多いです。

最終的に話し合いがまとまれば、裁判所側で調停証書を作成してくれます。

その後は、この調停証書の内容に従って借金の返済を進めていくことになります。

どうしてもお互いの折り合いが付かない場合は、裁判所が妥当と考える返済条件で決定をしてくれる場合もあります。

特定調停後の生活

特定調停が行われた後の生活は、それほど大きく変わるものではありません。

基本的には3年で返済をすることになり、特別な事情があれば5年となります。

その間はお金の管理をしっかりとして、返済できない事態に陥ることがないように気をつけてください。

特定調停の場合は、返済が滞った場合に債権者側が強制執行をしやすくなっているため、この点には十分に気をつけましょう。

特定調停後は官報に記載されることはありませんが、個人信用情報にはしっかりと残ります。
そのため、調停が行われてからは情報がなくなるまでの間は、お金に関する審査に通ることは難しいと考えてください。
実際にその条件でお金を貸してくれるところがあれば、それはヤミ金などの可能性が高いです。

具体的には5年間は、ブラックリストに載っている状態になると考えてください。

そもそもお金のトラブルを起こしたことに変わりはないので、そこからさらに借金をしようとすることは問題です。

特定調停を利用する前以上にお金の管理はしっかりとし、万が一の場合に備えて貯蓄を意識してください。

無理のない返済ができるように計画を立てて手続きをしたと言っても、急な出費が発生することはあります。

それに対する備えをしておいて損はありません。

<参考>

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mikako
mikako
主に債務整理など法律に関する記事担当。最近,彼氏ができたのか(本人は否認w)口臭ケアサプリ関連にも興味を示し実際に購入して効果を実証。フクロウ大好き娘。